その背中の痛みは、首が原因かも!?
先日、じっと座っていても右の背中に痛みがあるし、寝ていても右の背中が痛い!という70代男性の方がいらっしゃいました。
その男性によると、「日曜大工の仕事をしていたので、背中が凝ってしまい痛くなったのかな?」とおっしゃっていました。
「他に何か体に不調がありましたか?」とお聞きすると、
右手の親指の感覚があまりなく、人差し指と中指も一年前から痺れているそうです。
このような症状が出る一年前に、部屋のクロス貼りをしたそうです。この時に、初めて右の背中に痛みが起こり手の痺れも始まったそうです。
背中の痛みだけは、しばらくして痛みが引いたそうです。
一体、この70代男性の背中の痛みは、何なのか?
本当に、日曜大工の疲労によって起こった凝りなのか?
結論からお話すると、この70代男性の右の背中の痛みは、首からの影響で起こっています。
あなたは、知っているかも知れませんが、人間の首は、7個の骨があります。その骨と骨との間の隙間から、神経が出ています。この神経は、どこに向かうのかというと、腕に向かって走行しています。
だから、手の痺れがある時は、首からの影響であると言われているのです。(注意!脳の影響で手に痺れが起こる場合もあります。)
しかし、この70代男性は、背中に痛みがあるので、「首と関係ないのでは?」と思うかも知れません。
実は、首から背中に走っている神経(肩甲背神経)もあるのです。その為、首が悪くても背中に痛みが起こるのです。
しかし、なぜ、私は首からの影響で右の背中に痛みが起きているのでは?と気づいたのでしょう。
その理由は、、4つあります。
一つ目は、
この右の背中が痛いという男性は、70代後半です。
あなはた、歳を取ると身長が縮むという話を聞いた事は、ありませんか?
歳を取ると、背骨と背骨の間に椎間板という軟骨があるのですが、その間が縮んで神経が出て来る隙間が狭くなります。
そうすると、神経が圧迫されやすいので痛みや痺れを発症させやすくなるのです。
二つ目は、
一年前にクロス貼りをしていたところ、右の背中が痛くなり、手の痺れも起きたとおっしゃっていました。
おそらく、クロス貼りをしていた時に上を向いて作業する事が多かったのでは?と考えられます。
人間の構造上、上を向くと、頭を後ろに倒すような状態になります。
頭を後ろに倒すと、背骨と背骨の間から神経が出てくる穴が狭くなり、神経が圧迫されます。
案の定、首から出ている神経が圧迫されているかどうか調べる検査方法(スパーリングテスト)で「背中の痛み」と「手の痺れ」が少し出ました。
3つ目は、
うつ伏せになれるいうので、数分間うつ伏せになってもらいました。
そうすると、「背中が痛くなってきた!」とおっしゃっていました。
あなたは、「何でうつ伏せで痛くなるのかな?」と思うかも知れませんが、これは、二つ目と同じ理由です。
うつ伏せになると、頭を後ろに倒す状態になるから、神経が圧迫されるからです。
4つ目は、
腕を動かしても背中が痛くない事です。
筋肉のスジを痛めていたりすると、腕を動かしす事によってスジが「引っ張られたり」・「縮められたり」するので、痛みが起こります。しかし、いくら腕を動かしても痛みが背中に起こる事はありません。
以上、4つの事から、首からの影響で右の背中が痛い可能性が高いと判断しました。
背中の痛みといっても、
ほとんどの場合は、筋肉の凝りによるものが多いです。しかし、このように首からの影響で背中に痛みが起こる場合があります。
首からの影響で背中が痛い方は、首を動かす事によって神経を刺激します。このような時は、無理をして首や肩のストレッチをしないようにご注意を・・・・。
埼玉県久喜・幸手の鍼灸専門院(おかだ鍼灸院)より